介護の事業を行っていると、介護給付費の上昇の話題をよく耳にします。
確かに高齢化に伴い介護サービスを受ける人が増え、介護給付費が増加しているのは明らかです。
その中で介護給付費の上昇を抑制するために、
サービス利用単価の引き下げや利用回数の制限などが検討されているのはいかがなものかと考えてしまいます。
というのも介護保険が始まった2000年から直近の統計が発表されている2019年の統計は以下の通りです。
2000年 2009年 2019年
要介護認定者数 260万人 480万人 670万人
介護給付費 3兆2千万円 6兆5千万円 9兆3千万円
一人当たり給付費 126万円 134万円 140万円
確かに一人当たりの給付費は上昇していますが、上昇率としては11%ほどです。
結局、利用する人が増えたから費用が増加しているというわけです。
家計で言うと、10年前より食費が増えたなぁと思っていても、子供が増えたから当たり前ということです。
その食費を減らすために、1食当たりの量や質を減らしたり、食事の回数を減らしたりするでしょうか。
そもそも介護保険制度自体がこの高齢化を想定していなかったと思わざるを得ません。
介護給付費抑制のために、利用者が10年前の利用者よりサービスが制限されることがないような解決策を探ってほしいものです。