【福祉人の旅】ギブ・アンド・テイク

ビジネスや日常会話でよく「ギブ・アンド・テイク」という言葉を聞きます。

こちらから何かを与え、相手から得るということです。

相手にメリットを与えるからこそ得られるのだという意味では、この言葉は真実でしょう。

しかしこのギブ・アンド・テイクの考え方には落とし穴があるようにも感じます。

ギブ・アンド・テイクと聞いて多くの人が考えるのが「駆け引き」的な意味。

相手から何が得られるかを予測し、それに応じたものを与えるといったことです。

1回的な交渉などは典型ですが、駆け引きにおいては、こちらにとってなるべく小さな価値のものを与え、

相手から大きなものを引き出すことを考えることもあります。

問題は、そのような駆け引きでは、与えるものが次第に小さくなってしまうこと。

相手との駆け引きが一度きりで終わりならよいのですが、これは未来につながる考え方とは言えません。

未来につながるのためのギブ・アンド・テイクのポイントは、相手からもらったもの以上のものを返し続けること。

短期的には得をしないかもしれませんが、相手も大きなリターンがあることを期待して、さらにこちらに与えてくれます。

事業においても同じ。

頂く報酬以上の顧客満足を与えて、はじめて仕事が続いていくのだと考えます。

ギブ・アンド・テイクはビジネスの基本中の基本の考え方ですが、

その本質が理解できているか否かによって、長期的にテイクできるものが変わってくるのではないか、と思います。